新築

新築の最大の利点は、地域特性、土地の固有条件、市場環境をもとに、その場所に最適な計画を行うことが可能なことです。今までの賃貸事業は、建てればある程度の需要が見込めたため、『いかに多くの住戸を作ることができるかということ』に着目されていましたが、人口減少時代においては、『いかに選んでもらえる住戸を作れるか』が最大の競争力になります。

競争力のある物件に必要なことは、単なるプランの設計や表層的なデザインではなく、住まい方や建物の使い方の概念をトータルに設計することです。根源的な競争力のある不動産活用は、時代背景に左右されない安定的な収益をもたらすことができます。

不動産賃貸のサイトで物件検索をする場合、駅からの距離や近所の施設などの環境面での検索、あるいは、バストイレ別などの設備的な要件による検索がほとんどかと思います。これは、建物の質が大量生産による同質化によってほぼ横並びであったため、比較対象が周辺環境や付属設備の質しかなかったからです。

不動産賃貸事業は他の分野の事業と比べて比較的競合が少ないと言われてきました。しかし、それは人口が増加している時の話です。人口減少時代の不動産賃貸事業は、土地の魅力を最大限に引き出す計画を立てることで他では真似のできない圧倒的な競争力を手にすることができます。

新築におけるファイナンスの基本は、借入期間を長期にし、手元のキャッシュを多く残すことです。一方で、新築当時のいわゆる新築プレミアム賃料はあまり長くは続きません。ですから、最初期の入居者に物件への愛着をもっていただき、長く住んでいただくことが重要なポイントとなります。そのためには、「ここに住みたい」と思えるような交通利便性や環境利便性とは別の理由が必要なのです。

将来にわたって不動産を持ち続けるという意思が強い場合でも、売却を視野にいれた出口戦略は重要です。相続税対策のために場当たり的な計画をしてしまうと、負の遺産を作ってしまい、結局はご家族に大変な苦労をかけることになります。

不動産には必ず利益が最大化するポイントがあります。その時期を知った上で各々のスタンスで戦略を変えていく必要があります。

資産活用において新築物件を取り入れることは大変魅力的です。新しく建てることによって、空室率や賃貸価格などを劇的にあげられる可能性があり、土地や建物などの資産をお持ちの事業主様なら一度は新築することを検討されるのではなかと思います。

しかし、やみくもに新築すれば良いわけではありません。新築することが資産を最大化する方法なのかをじっくり考える必要があります。トチタテモノでは、不必要な新築をすすめることはいたしません。事業主さまにとって必要な戦略を提案することに、トチタテモノの存在意義があると考えています。