広告費は必要経費なのか?
都内で5,000万円程度の分譲マンションを区分所有した方が支払っている「広告費」と「構造設計費」はどのような割合になっているかご存知ですか?
ある業界紙によれば、購入価格の内、300万円は広告費、構造設計費にいたっては5万円程度しか支払っていない計算になるというのです。
一生の買い物であるはずの大切な我が家への出費の内訳として、どうお感じになられますか?
設計費の割合の低さは、驚くような話ではないというのが率直な感想です。しかし、物件詳細はわかりませんが、業界にいる我々にとっても広告費の多さには驚きました。しかも、この広告費は、あなたの物件にお客さまを呼び込むための費用ではなく、事業主である「あなた」を呼び込むための費用なのです。つまり、自らの物件のために多額な広告費用を負担しているのです。
広告費以外にも事業主が知らない間に多額の費用を負担している可能性があります。それらの費用は、紹介料という名目で施工会社やハウスメーカーが仲介者に支払っているので、事業主はその存在に気が付くことができないのです。
概略費用(土地を除く建設費)の内訳比較
工務店によっては、営業社員を雇わずにアウトソーシングすることで経費削減をし、結果的に建設費圧縮が実現できている会社もあります。ハウスメーカーでは、大量発注、国外生産などスケールメリット(規模の効果)により、原価を押さえることで広告費などの経費を捻出しているので、結果的に建設費が高額にならずに済んでいるという側面があります。
しかし、問題なのはかかっている費用の内訳が一体いくらなのか、事業主にはわからないという点です。
物件価値を最大限にすることが不動産活用の要であるはずなのに、物件価値の増大とは関係のない部分で多大な費用を知らないうちに支払っているのです。
コンサルタント料「無料」も疑ってみる
不動産仲介業者やコンサルタント会社から施工会社を紹介されるパターンには注意が必要です。ほぼ間違いなく、施工会社から仲介者へ紹介料が支払われています。
コンサルタント会社や不動産仲介会社が「コンサルタント料無料」と言っている場合もあります。しかし、このケースはコンサルタント料として事業主から少額をもらうよりも、施工会社から多額の紹介料をもらうほうが儲かる仕組みなのです。
施工会社の純利益は1〜3%といわれ、雀の涙ほどの利益の中で頑張っているにもかかわらず、紹介料は建設費の5〜10%を要求してくる仲介業者も少なくありません。
仲介業者による施工会社の紹介は、
- 相見積をしないことで競争原理が働かない
- 見積内容の精査をする人もいない
- 建物価値と全く関係のない紹介料という費用を支払う
とデメリットばかりです。紹介料が建設費の5〜10%にもなると、設計事務所に設計と監理を依頼することが可能な金額になります。
建設会社で「建設費全額無料」が無いように、コンサルタント会社で「コンサル料無料」「設計費無料」は本来ありえません。無料サービスを補って余りある利益が別にあるということです。
知らない間に費用対効果の全く無い費用がかかっていることだけでも問題ですが、本質はもっと深刻です。コンサルタント料無料・設計費無料ということは、契約を結んでいないという場合がほとんどだと思います。業務範囲、責任の範囲を明確にせず計画を進めるのは、海図を持たずに大海原へ旅立っている行為と同じです。
また、契約をしていない業務とはその程度の業務であるという事です。何かあった場合の責任の所在について曖昧なままでは、後々トラブルになるケースが少なくありません。きちんと企画され設計された建物と、無料の企画・設計で建てられた建物の質は雲泥の差です。
土地・建物の資産活用にはさまざまな専門家が関わることになります。誰にいつ、どのような依頼をするかによって事業の成否が分かれる、と言っても過言ではありません。事業に最適なチームを組むことが事業成功への最初の課題になります。
「紹介料」を負担しているのは誰か?
土地・建物の資産活用における専門家は、次の3つのグループに分かれます。
それは
- 税理士、建築士などの所謂「士業」と呼ばれる専門コンサルティング・技術サービスを行う知識を商品としている「各種専門家」
- 工務店やハウスメーカー、リフォーム会社など商品を生産する「サプライヤー」
- 数多くある情報から適切な情報を提供し、売り手と買い手の仲介を行う「ブローカー」
です。
事業をすすめるためには専門家の力が必要になってきます。専門家を紹介してもらう場合、注意が必要です。なぜなら、紹介料が発生するからです。その紹介料は、目に見えないカタチで費用に含まれているかもしれません。
以下の図は、紹介料が発生する関係図です。専門家の紹介を受ける場合は、この図を参考にして、紹介料を負担していないか確認ください。
紹介料が発生する関係図
- 紹介料が発生しない、あるいは、紹介料が発生しても事業主が負担しないので、紹介を受けても問題がない関係
- サプライヤーに紹介をお願いすると、相見積もりができなくなる可能性があるので、注意が必要な関係
- 紹介料が発生するので、基本的には紹介を受けてはいけない関係
- 事業主側の立場となる専門家が不在になり、プロジェクトの透明性がなくなるため、紹介を受けてはいけない関係
下記の図は横にフリックして全体を見ることができます。
トチタテモノが目指す姿
事業主とトチタテモノが中心となり、各種専門家・サプライヤー・ブローカーの3つの分野と適切な連携をすることによって、事業主と同じ方向を目指せる事業となります。
トチタテモノでは紹介料や事業に不要な費用をかけない、本来あるべき協力体制を築き、資産活用事業を推進します。